算数教育におけるジグソー学習法-「角柱と円柱の体積」の活用を通して-

摘要

本研究は，算数教育におけるジグソー学習法によって数学的な考え方が必要な場面で，すべての子どもがどのように振る舞うかを事例的に考察することを目的とする．そのために，先行研究を基にジグソー学習法の考え方をまとめた上で，6年生を対象に「角柱と円柱の体積」の活用の実践を行った．その結果，次の3つの知見を得た．（1）すべての子どもに対して話し言葉による表現の機会を量的に保障する，（2）友達の説明を聞き，その内容について考えたり，それ以前の内容についても統合的に考えたりすることで，子どもたち自らが新たな表現者となる，（3）子どもの話し言葉による表現の連鎖的なつながりが，数学的な考え方のよさへの気づきに導く．