第12章照明学会?日本照明委員会の活動

摘要

一般社団法人照明学会（以下，照明学会）の2013年度の活動を報告する．2013年度の事業は以下の3つの基本方針で行われた．①エネルギーの需給に対する国民の関心がより大きくなっているなか，消費電力を大幅に低減する対策として，LEDをはじめとする固体照明に関する関心が高まりつつある．こうした社会情勢の変化に的確に対応するとともに，エネルギーの利用と照明に対する関心の高まりを，照明学会の発展に結びつけるために，社会的な状況の変化に応じた諸活動を推進し，また新たな会員の獲得に努める．②照明学会は，照明に関する学理およびその応用に関する研究調査ならびにその成果や知識の交換により，学術，技術，文化および関連事業の振興と社会の発展に寄与することを目的とし，この目的を達成するために，自律的な組織運営と，公益性の高い存在であることへの強い自覚が必要である．照明学会は事業の抜本的見直しを行うとともに，照明学会が発展する礎である照明教育の普及による人材育成，および研究活動を主体とした分科会活動の躍動的な展開を図る．③照明学会は．2016年に創立100周年を迎える．100周年を新しい起点とし，照明学会がより良い会員の育成?成長の場となるよう，照明文化とその歴史を振り返る準備をスタートする．これらを踏まえて以下の重点課題に取り組み，活動を推進した．1．照明文化の持続的な発展と社会貢献（1）照明に関する標準?規格事業の推進（2）分科会活動の活性化と研究論文?成果発表の促進（3）発展する照明科学技術の社会啓発（4）異業種?異分野連携による新しい照明文化の創成2．照明教育の普及による人材育成（1）照明教育支援システム開発と導入（専門講座テキスト改訂）（2）国内外の研究者交流活動による若手研究者の支援?育成（3）新規会員の獲得と通信教育受講者の拡大3．固体照明の取組強化（1）LED照明に関する標準化の積極的推進（2）関連分科会活動の活性化による学術研究活動の充実（3）学協会，産業界との連携拡大4．効果的?効率的な国内外の情報発信（1）会員データーべ一スシステム構築と照明マイページの普及（2）国際交流活動の推進と広報活動（メールマガジンなど）の充実（3）Webページの充実（リンク集の充実?支部活動との連携など）5．学会運営の基盤充実（1）学会創立100周年記念事業準備（2）財政基盤の拡充と中期計画および長期計画の作成検討（3）IT会議導入の検討 LED照明器具は出荷金額構成比率が過半となり，急速な普及が広まっている．このような盛り上がりに伴い，照明学会会員数は5,904名と増加している．また照明学会基礎講座受講者数も，事務局の熱心な勧誘もあり，1,901名と増加した．日本照明委員会のトピックスとしては以下があげられる．①CIE標準の円滑なISO化を主目的に設立されたISO/TC274"Light & Lighting"が本格的に活動を開始し，第1回総会が7月に，第2回総会が翌年3月に開催され，JCIEは日本工業調査会に対応国内審議団体として登録し，国内審議委員会を設置したこと．②4月にパリで中間大会が開催され，カンファレンスと各部会，TC会議が開催され，11月の日本照明委員会大会でその概要を報告したこと．③8月に開催した青色光の作用と安全性に関するJCIEセミナーが盛況であり，LED照明の光生物学的安全性について関心の高さが伺われたこと．以下2013年度の照明学会と日本照明委員会の事業活動結果を具体的に報告する．