シーボルトが収集した手書きの江戸幕府撰国絵図ライデン大学所蔵シーボルトコレクションより

摘要

シーボルト(Philipp Franz von Siebold、1796-1866年)は、神聖ローマ帝国領のヴュルツブルクに生まれた。シーボルト家は祖父の代から貴族階級となり、医者を輩出した名家である。シーボルトは1820年にヴュルツブルク大学を卒業したのち、1822年秋にオランダを出港、オランダ商館医員に任ぜられて、1823（文政6）年夏に長崎へ入港した。当時、シーボルトは27歳であった。翌年、鳴滝塾を開設し、湊長安?伊東玄朴?高野長英?二宮敬作らに医学をはじめとする蘭学を教えたことはよく知られている。