数式処理システムの教育利用一数学的活動としての意義付け一

摘要

1数学的活動 現在，数学教育において注目されていることのIつとして，「数学的活動」を積極的に行うことが挙げられている． 高等学校数学科の目標は，次のように述べらている． 高等学校数学科の目標：数学における基本的な概念や原理·法則の理解を深め事象を 数学的に考察し処理する能力を高め，数学的活動を通して創造性の基礎を培うととも に，数学的な見方や考え方のよさを認識し，それらを積的に活用する態度を育てる． 数学という教科（学問）の特徴を考えた際，観察可能なものだけが数学的活動であるのか？理科や社会科と異なり，思考活動を主とする数学を学ぶ（教える）際，数学的活動としては，下記のような広義の数学的活動を目的とすべきである（[1]) 計算処理や図形の具体的操作など客観的に観察が可能な活動的行為） 類推したり，振り返って考えたりするなどの内面的な活動（内的行為） 数式処理システムを数学教育において巧く利用すれば，この広義の数学的活動を支援することができる． それが，これまでの道具にはない，思考を支援するための道具として開発された数式処理システムの魅力である． しかし巧く利用するということが重要なポイントである． 数式処理システムは，数学の知識·理解·技能がないと巧く利用することができない．新しい学習指導要領においては，「数学的活動」が「数学の活用」という表現に変わっているが，数学の活用は，数学的活動の継承と捉えることができる． 数式処理システムを用いた数学教育として展開すべきである．