学会誌の記事を広く楽しく読むために：量子情報·量子計算編

摘要

ITバブルは既にはじけたとはいえ，ただでさえ若者の理科離れが進む中で理系志望の学生の多くが情報系を指向するという嘆かわしい（？ ）世の中が続いている1．さらには，身内であるはずの物理屋のうちにも「量子情報·量子計算機」などと世間に日和ったことを標模する老が現れている昨今に嘆息を吐かれる会員の力もあろう．学会誌にすらその関連の記事が時折掲載されるい　 そういう方には「敵を知り己を知らば…」の心持ちで，この稿を読んでいただければ嬉しい一．もちろん，「量子情報·量子計算機」に興味があるが，情報理論を今更勉強する気も起きない，という力も一読して欲しい．