多重ゼータ関数の角牢析的理論とその応用

摘要

本稿の前半では，20世紀初頭のBarnes, Mellinの研究以来の多重ゼータ関数の理論の歴史を，その解析的側面と整数論への応用を中心にして述べる．こうした歴史の流れの中で研究されてきたのは一変数の場合がほとんどであったが，最近になって多変数の多重ゼータ関数の解析的研究が行われるようになり，一変数を扱うだけでは見えてこなかった新しい構造なども見出されつつある，本稿後半ではこうした多変数の理論を，筆者の研究を中心にして紹介したい．