経験的サィ卜増幅?位相特性を考慮した強震動評価手法に基づく1968年十勝沖地震における剣吉中学校造成斜面での強震波形の評価

摘要

1968年十勝沖地震(Mj7.9)では，本震前3日間の大雨の影響もあり，震源域を中心に数多くの地すベりが発生した（例えば，加納ほか，1968）。その中でも，写真-1に示す旧名川町の剣吉中学校で発生した大規模な斜面崩壊（以後，剣吉地すべりと呼ぶ）では，崩落した土砂の生き埋めとなって避難中の生徒4名の生命が奪われている（青森県教育委員会，1968 ；南部町役場，2008）。谷埋め盛土の地震時地すベりは，1978年の宮城県沖地震による被災が最初であるとの認識もあると思われるが，剣吉中学校は谷埋め盛土上の高台に位置していたため（黒田ほか，1968），剣吉地すべりは，我が国で発生した最初の谷埋め盛土の大規模な被災である（釜井，2010）。