インタ一バル撮影画像にょる積雪寒冷期の斜面変動の調査-北海道津別町,チミヶップ湖地すベり末端域での例-

摘要

北海道の積雪寒冷期は,険しい山地の地域でなくても 11月上旬から5月下旬までの6ヶ月間以上にも及ぶ。この長い積雪寒冷期の中でも降雪?積雪と融雪とを繰り返しながら次第に根雪となっていく11月上旬?12月中旬や,凍土層の融解と再凍結が繰り返したり融雪が一気に進んだりする3月中旬?5月上旬には地すベり移動体の再活動も含めてさまざまな形態や規模の斜面変動が多数発生し,時には重大な災害をもたらしてきた(伊藤ほか,2012)。終日,氷点下の気温となる真冬日が続く1月?2月での斜面変動は地震に起因した事例(田近?岡崎,1997)を除くと必ずしも多くはないものの,1996年2月10日に発生した積丹半島の国道229号豊浜トンネルでの岩盤崩落は重大な被災となり,その後の崖?斜面の緊急点検や調査研究にも大きな影響を与えた。最近では2014年1月25日早朝に松前半島の福島町で,道道532号の途絶?停電と約3日間にも及ぶ同町岩部地区の孤立をもたらした岩盤崩落が発生している。