青森県上北平野北部に分布する袋町3テフラと袋町6テフラのジルコン·フィツション·トラック年代測定

摘要

青森県上北平野北部（第1図A）には，袋町1～13テフラと呼ばれる13枚の降下軽石層が分布する（桑原，2004）．これらテフラは，本平野の中期更新世指標テフラの白ベタ軽石（WP，釣270，000年前；東北地方第四紀研究グループ，1969；工藤ほか，2004）と東北日本北部の後期更新世広域テフラの洞爺テフラ（112，000～115，000年前；町田ほか，1987；町田·新井，2003）に覆われる（岩崎，1983；桑原，2004）．一方，本地域では海成の段丘地形として，高位なもの（古いもの）から順番に袋町面，七百面，天狗餞面，そして最終間氷期最盛期すなわち酸素同位休比ステージ5e（122，000年前；Bassinot et al.，1994）の時期に形成したと考えられる高館面が分布する（例えば中川，1961；宮内，1985；桑原，2004）.袋町1～13テフラは，袋町面形成期から七百面形成期にかけての噴出物とされ，袋町面のみを覆う（桑原，2004）.