SMAC法による流体解析を対象としたAMGライブラリの自動チューニング方式

摘要

SMAC法による流体解析を対象にAMGライブラリのオンライン自動チューニング手法を提案し，有効性を評価する。このような解析では，各時間ステップで圧力に関するボアソン方程式を解くことになる。この際に，AMG法のパラメータの特性を考慮し探索範囲を狭め，動的にパラメータを選択するAMGライブラリの枠組みを提案する。この枠組みにより，指宇されたパラメータの範囲の中から各時間ステップに適したパラメータを選択することにより，全体の解析時間短縮を実現する。AMGソルバのパラメータとしてマルチレべル生成部の未知数間の強連結を判定するしきい値，AMGのサイクル，各レベルのスムーザの種類，スムーザの加速係数，AMGと組み合わせる複数の解法（RE自CUT法，BICGSTAB法，CG，組み合わせない）を考慮している。数値実験では最大900個のソルバの中から状況に応じて選択を行う場合を計測した。ここでは流体解析におけるソルバ全体の時間を計測し，AMG法のデフォルトの設定で代表的な解法と組み合わせた場合と比敦してどの問題でも本手法が最も高速なソルバとなっており，最大17%程度高速になっていた。