自動車パネル部品開発における板成形シミュレーション技術

摘要

自動車の部品設計段階から生産準備段階における一貫した部品開発の合理化を進めるために，部品成形性検討のデジタル化と検討結果の活用が促進されている．例として，部品設計時に行われる衝突性能の検討では，衝突シミュレーションの精度向上のために，板成形シミュレーション結果のひずみ分布等を考慮した衝突シミュレーションのモデル構築により，衝突時の吸収エネルギー予測精度の向上が図られている．本報告では，自動車部品の機能を検討している部品設計段階で適用可能なプレス部品の成形性評価技術を紹介する．次に，部品形状が決定された後の生産準備段階におけるプレス成形性およびヘムによる組み立て性の評価に関する板成形関連のシミュレーション技術を，最後に最適化と成形解析技術の連携による成形条件の自動検討の現状等を解説する．