圧延破断に及ぼす段差折れ込みきずの影響－マッシュシーム溶接機の連続冷延プロセスへの適用 第2報

摘要

従来から延性材料に対する破壊は，最大引張応力，応力3軸度や相当塑性ひずみをパラメータにして論じられている．また，塑性加工分野では積分型の延性破壊条件式を適用し，破壊予測や延性ダメージ評価が行われているが，圧延工程に適用した例はない．本研究では，亀裂状の表面きずから圧延破断に至るプロセスを明らかにすることを目的とし，板厚方向に斜め亀裂を有する板材と,板厚方向に直角段差を付与した板材を圧延し，断面形状および圧延破断面の観察を行う．また，FEMを用いて，圧延中の段差折れ込みきず近傍の平均垂直応力，応力3軸度（＝平均垂直応力/相当応力），延性ダメージを算出し，圧延破断に至る段差折れ込みきずの影響を明らかにする．