噴射成形法の開発およびAZ91マグネシウム合金への適用

摘要

本研究では，このEFPを改良し，これをマグネシウム合金に適用することにしたものである．マグネシウム合金は実用金属中最も軽く，比強度，振動吸収性などの面で優れた特性を有し，資源量も豊かな金属である．そのため，マグネシウム合金は構造材料として，各方面からその用途が期待されている．しかし，この合金の最大の欠点は稠密六方格子(hcp)を有するため，何といっても脆いことである．特にMg-Al合金，とりわけアルミニウムを9％含むAZ91ではその傾向が顕著で，ほとんど加工ができないと言っても過言ではない．そのため，現在では鋳造材としてのみ利用されているのが実状である．したがって，本研究ではマグネシウム合金としてAZ91を対象とし，この材料がEFPにより，微細結晶粒を有する，偏析のないバルク板材として製造可能かどうか検討した．