3次元熱間曲げ焼入れ量産加工技術の開発

摘要

近年，自動車には地球環境保護の観点よりCO_2排出量の大幅な削減（燃費向上）が求められている．CO_2削減に対しては車体重量の軽量化が有効であり，車体の軽量化が大きな課題となっている．また，衝突時の乗員保護の観点より，各種アセスメント試験（Japan New Car Assessment Program：JNCAP，European New Car Assessment Program：Euro NCAP等）において実施される衝突試験の内容は，年々厳格化する傾向にある．したがって，CO_2排出量削減および衝突安全性を両立するためには，軽量かつ高強度な自動車部品の開発が必要である．筆者らは，これらの要求を両立し得る高強度かつ軽量な車体構造を実現すべく，3次元熱間曲げ焼入れ（Three-Dimensional Hot Bending and Direct Quench：以下，3DQ）技術を開発した．本技術は閉断面素材を対象とした新たな高強度·高造形加工技術である．本報では，今回の技術の概要と開発内容について述べる．