エンジニアリング＋デザインによるものづくりスペシャリストの育成

摘要

明治維新においては，桁違いの変革が進行していた．その中で，岡倉天心は，その著書1）の中で「西洋の方法論としての技術と東洋の理念としての徳」を強調し，うわべだけの模倣を禁じている．そこには，西洋文化にはない東洋独自の倫理·実践力を培っていこうとする気概が読み取れる．そして今，米国では，IoTの理念の下，本国への製造産業の回帰に伴うものづくり教育変革が始まっている．3Dプリンターを小中学教育に導入し，ソフトとものづくりを強く結びつける提案はその代表であり，次の段階として，欧米協調の枠組みで新しいものづくりのフレーム設計が開始している．この時点にあって，我が国のものづくり人財の在り方を考えてみたい．