第4回：ユニバーサルデザインとシステムインテグレーション-ユニバーサルデザインの技術課題－

摘要

工学的技術の側面から見たユニバーサルデザインについて，特に高齢者や障害者への配慮，UD化を考慮したインタフェース技術およびUDの評価方法などに関して述べた．高齢者は加齢と共に五感の感度も低下するため，その身体的特性に配慮した機器の設計が必要となる，その際は高齢者の声をよく聞き，JISZ8071「高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針」に配慮するとよい．また，インタフェースに関しては，障害者や高齢者のみならず万人に使い勝手のよいものが望ましい．そのため，UDに配慮したインタフェースの開発は，工学的技術が十分発揮される分野であろう．さらに，UDをどう評価するかという問題については，徐々に研究されつつあるが確立された方法はなく，今後の課題として残されている。 いずれにしても，誰でもが使いやすいシステムを開発する上で，UDに配慮したシステムの設計や評価方法が今後ますます重要になるであろう．