縮み·伸び同時フランジ成形におけるフランジおよびウェブの精度--薄鋼板の軸対称同時フランジ成形における製品精度 第1報

摘要

薄鋼板を用いた軸対称の縮みフランジと伸びフランジを同時成形した製品の精度について詳しく検討した。 また，それぞれ単独で成形した場合との比較を行った。 その結果，以下のことが明らかになった。 （1）同時成形におけるフランジの板厚はダイス肩半径の影響を受けるが，板押え力や底突き荷重の影響は小さく単独で成形した時とほぼ同じである。 （2）フランジの曲げぐせ寸法に及ぼす板押え力や底突き荷重の影響は少ない。 縮みフランジの方が曲げぐせ高さは小さく，曲げぐせ長さが大きいのは金型すき間と板厚との差が小さいためである。 （3）フランジ角度には，フランジの板厚分布の影響が現れるが，板押えがない時にほ底突き荷重によって変化する。（4）ウェブは板押えおよび底突きがない時には大きな反りが発生するが，板押え力や底突き荷重を加えると小さくなる。 （5）フランジの内外径精度はそれぞれを単独で成形した時の結果とほぼ同じであり，内径の方が外径よりも工具との寸法差が少ない。 （6）フランジ高さは伸びフランジ側の方が縮みフランジ側に比べて低く，ウェブの絞り込みがないため単独の成形よりも低い。