楽しみながら学ぶ－生産の学びに活きる計測·制御·システム：小学生を対象にしたロボコン教育活動－平成18年度ながおか小学生ロボコン活動報告を通して

摘要

筆者らは以前から長岡技術科学大学において，夏休みの1日を使った小学生20名程度を対象にした工作教室を催していた．しかし1日という短い期間では十分な指導ができず，より長い期間にわたる工作教室の開催を希望していた．そんな折，長岡市は平成16年10月23日に新潟県中越地震に襲われ甚大な被害に遭い，児童達もまた非常に大きな心理的負担を負うことになった．そこで児童達の心の復興支援を目的として平成17年度に小学校4～6年生のクラブ活動として大規模かつ長期間にわたるロボコンを行うことになった．平成18年度は23校348人の児童が参加し，5月から7月にかけて10回の工作教室と3回の練習会を行い8月に大会を行った．児童，教諭，指導員を合わせると延べ約4500人が参加した大規模なロボコンである．本ロボコンの特徴をまとめると下記のようになる．1.教育委員会主催；2.小学校のクラブ活動での実施；3.広い地域での同時開催；4.多くの参加者；5.長期間にわたる指導；6.工作教室，練習会，大会の一環活動．本稿ではこのロボコンの内容を報告し，その運営経験から大規模なロボコンを運営し持続的に発展させるための課題を考察する．