セラミックス製人工関節における再生医療の応用--再生骨組み込みアルミナセラミックス製人工足関節の基礎研究から臨床応用まで

摘要

近年の長寿化社会に伴い，整形外科領域における高齢者の関節疾患に対する治療は増加してきてV、る．関節の動きや安定性の低下，変形などの関節械能の破綻や痺痛の惹起は，そのひとの生活の活動レベリレを左右する大きな問題となる．それら関節疾患に対し，臨床の現場ではヒアルロン酸の関節内注射，装具療法，リハビリや薬剤投与による痺痛コントロールが主とした治療として行われており，これらの保存的な治療でも満足な結果が得られないような治療抵抗例には手術治療が選択される．手術治療の中心として，軟骨が摩耗したことにより機能の低下した関節を人工のものに置き換える人工関節置換術が行われる．人工関節置換が行われる関節としては，膝関節，股関節，足関節，肘関節，肩関節，指関節があり，人工関節の素材としてはコバルトクロム，チタン等の金属合金，アルミナ，ジルコニア等のセラミックスが使用されている．