Bi系銅酸化物超伝導体におけるカーボンナノチューブ混合による相構成の変化と電気伝導性への影響

摘要

Bi系銅酸化物超伝導体Bi2223にCNTを埋め込むことによって，超伝導体の臨界電流密度が上昇するという報告を受け研究を行った。大気雰囲気中でCNTを埋め込むとこによって超伝導体内中の銅と反応し，臨海温度Tcが低下するが，臨界電流密度Jcは埋め込んだことによってピンニングが強化され上昇する。 しかし臨界温度Tcは低下し，臨界電流密度Jcを測定できないものもあり，超伝導体としては質のよいものではない。 窒素雰囲気中では，CNTを埋め込んだことによってBi超伝導体中の酸素と反応し酸化銅が金属銅にまで還元され，Bi2223相が著しく破壌され高い臨界温度を維持できなくなるはどであった。 このことから大気雰囲気中および窒素雰囲気中でCNTを埋め込むことでピンニングは強化され超伝導体の臨界電流密度が上昇するが，その一方，CNTを埋め込むと，超伝導中の銅を金属銅にまで還元させてしまうという大変強い還元剤として作用することを示した。