ワイヤレス最前線：無線センサネットモジュールSiP化＜無線センサネットモジュール小型化競争への終止符＞

摘要

我々の周りにある大量の情報を多種のセンサと無線を組み合わせて環境測定や制御を行う無線センサネット技術は、ユビキタスネットワーク社会を実現する手段として、近年非常に注目されていた。 しかし現実的にはトポロジ制御やモジュールの小型化に注目され、必要とされているアプリケーションへの応用がなされていない。特にモジュールを小さくすることは機器組み込み等においても重要なことではあるが、大きさを1mm小さくして競ってもあまり意味の無いことであり、本来のセンサネットの目標を見失っていると思われる。 そこでアーズでは小型化競争に終止符を打つため、絶対に他社には追従できない程の小型モジュールを作ることにチャレンジした。 回路を小型化するのにはLSI化が一般的であるが、膨大な費用がかかる。 また、無線回路やアナログ回路、デジタル回路、MEMS等をひとつのLSI化する技術は世の中に確立されていない。 そこでアーズはLSIと基板の中間の技術であるSiP (System in Package)技術を応用して、まったく新しい無線センサネットモジュールOne-tenth（ワンテンス）を開発した。 本稿では今回発表した無線センサネット用の無線モジュールの究極の小型化としてセンサネットのSiP化による技術紹介とその応用、技術的問題点について述べる。