磁性と磁石

摘要

磁石の利用の歴史は羅針儀（compass）に始まる中国伝説の指南車は黄帝が戦いに用いたとも，周公が外国使者の帰路に与えたとも驗われる。 三世紀頃にが歯車により常に南を指す車がアつたらしらしい（斉明記）?（差勤歯車［differential gear の原理なら，磁石とは関係ない］アラビアで紀緑の上に磁石が現われるのは十世紀頃らしいが，歴史上で確かに使われたのは,ポルトガルのエンリケ航海空子（Henrique o Navegador，1394～1460）が始ぬた十五から十七世紀に亙る大航海時代の羅針盤が最初ではなかろうか．エンリケは王位を継がず,自ら航海もしなかったが，海洋船の建造や航海樹を奨励し，天体と羅針盤を頼りに航路を世界中に求めた．暫く後のヴァスコ·ダ·ガマ（Vascoda Gama)が1497年喜望峰からインドに達し，王国の隆盛を齏した．（ポルトガル船の日本到来は1543年）リ速ボン港のジェロニモス（Jeronimos）大修道院前の波止場にエンリケ王子が軸先に立ち，天文学者,宣教者,航海者達が並んだ白亜の大記念塔が立つイる（ガマの像もあった筈だが，20年以上前の記憶で確かではない）．図1は羅針儀の盤面の柄で,昔,航海術を習った笠者には懐かしい。