酸露点腐食環境下での：超耐食性バルクアモルファス合金薄板材の開発

摘要

工技院産業技術研究開発制度に基づく「スーパーメタルの技術開発プロジェクトは，平成9年度より5カ年計画で実施されており，その中で（財）次世代金属·複合材料研究開発協会（RIMCOF）を中心とする石川島播磨重工業㈱，川崎重工業㈱，三井造船㈱，京都大学，東北工業大学の共同研究チームはNEDOからの受託を受け，超耐食バルクアモルファスの創製技術の開発に取り組んでいる．アモルファス合金が優れた耐食性を示すことは，古くから知られており，これはアモルファス合金の化学的均一性と高い化学反応性によるものである．原子配列に規則性がないアモルファス合金はナノレベルにおいて均一であり，結晶粒界や転位，析出物などの腐食の核となる構造欠陥を持たないため，均一な不動態皮膜を形成する．さらにアモルファス合金の高い化学反応性は，不動態皮膜を迅速に形成させる．