原子テクノロジーの源流 第17章 清浄·吸着表面の電気伝導－表面電気伝導異常変動現象，ミクロ構造と関連した新しい表面研究法

摘要

完全に清浄な表面での電気伝導の実験を遂行するためには，本解説の第6章～第16章で説明してきたように，高度の清浄表面や吸着構造，薄膜構造の作製技術が必要で，作製した表面の元素分析，吸着超構造の解析，表面の電子構造などを研究することも必要不可欠である．これらの実験手法と併設した状態における表面の電気伝導の実験でない場合には何らかの汚染の影響を受けており，完全に清浄な表面での電気伝導の実験とは言い難い．筆者らは，本解説の各章で説明してきたように，種々の表面構造の解析法の開発を行い，表面構造を具体的に研究し，また意図的にエピタクシー過程や表面超構造を作製·制御する技術を開発し発展させてきた．