東南アジア鉄鋼業の最近の動向（4）－インド

摘要

日本鉄鋼連盟が推計した2011年のインドにおける鉄鋼消費パターンは，建設が52.5％，石油·ガス開発が4.8％，自動車が5.9％，重機·産業機械が11.6％，家電·電子が3.6％，線材2次製品が3.9％，単圧製品（国内中小冷延メーカーの製品）が6.7％，パイプ（ほぼ建設向け）が7.6％，その他が3.2％となっている．2010年のインドの主要鉄鋼需要産業の動向をみると，製造業部門では減税や金融緩和策が奏効し，自動車，家電ともに販売が堅調で，生産も押し上げられた．自動車（商用車も含む）は，生産·販売ともに2010年を通して前年比2桁増を維持し，2010年度の販売累計では320万台（前年度比＋28.7％），生産は374万台（同＋27.7％）となった．2010年の主要家電の生産台数は，前年比エアコンが31.4％増，冷蔵庫が11.1％増，洗濯機が1.3％増となったのに対してテレビは同5.9％減とマイナスに転じた．一方，建設部門では公共部門では追加財政支出を受けてインフラ整備が一段と推進され，民間部門でも積極的な活動がみられた．