鉄道車両のパーツ（構体）(4)：構体のリサイクル

摘要

車両のパーツであるという証拠に，構体は他の部品と切り離しても独自に流通する．その理由としては，ひとつには構体が価格もかかり，また修理も可能なために他の部品よりも寿命が長いということが挙げられるだろう．消耗品と考えられる電気部品やインテリアなどを新品に交換すれば，構体自身は古いものの手直しであっても，一見新車と見まごう車両に生まれかわる．こうして同じ路線で「更新修繕」を受けて生き延びる例も多いが，デザインの陳腐化とか，車両規格のグレードアップなどを機会に，実際にはまだ使用できる車両が廃棄される場合も多い．かくしてわが国から海外の途上国へ，JRから私鉄へ，そして大都市の大手私鉄から地方私鉄へ，多くの車両が移籍されて第2，第3の人生を歩んでいる．このとき車両がそのままの姿で譲渡される場合もあるが，構体と台車，部品などがばらばらに流用される場合もある．