ポイラ及び圧力容器用2.25Cr-1Mo鋼の高温疲労寿命に及ぼすヒート，熱処理，ひずみ制御モードの影響

摘要

NIMS（物質·材料研究機構）疲労データシートの出版配布は，1978年から開始され2004年にNo.96までに達した。 広範囲な国産金属構造材料について疲労特性が系統的に明らかにされている。 高温疲労特性データシートにおいても，ひずみ速度効果，クリープ疲労特性，高温長期疲労特性などの課題を掲げ，そのなかで代表的な高温材料を取り上げてきたが，クリープデータシートのように多数ヒートの試験を同時に実施することは出来なかった。 しかし，30年のデータが蓄積されたことから，複数ヒートのデータを比較することが出来るようになった。 本研究では，最も代表的な高温材料である2.25Cr-1Mo鋼について，高温疲労特性に及ぼすヒートの影響を検討した。 さらに，文献データと比較して，熱処理の影響やひずみ制御方法（軸ひずみ制御と径ひずみ制御）の影響を明らかにした。 これらの検討結果を用いて，高温機器の設計に活用されてきたアメリカ機械学会ASME Boiler and Pressure Vessel Codeの疲労曲線が，軸ひずみ制御データに対して危険側になっていることを指摘し，修正した疲労曲線を提示する。