技術トピックス：精密撹拌と液体物性の変化を同時に実現する「超振動α－撹拌機」

摘要

本「超振動α－撹拌機」は，従来の回転式の撹拌装置とまったく異なった原理によるもので，15～50Hz の低周波の出力で発生する振動を多段の撹拌羽根に伝達し．その上下振動による流体の高速三次元の乱流を基本とした撹拌機である。この装置に関しては，すでに，黄綬褒章（平成9年），科学技術長官賞（平成8年）や発明協会会長奨励賞（平成7年）などを受賞しており，またわが国を始めアメリカ，EU，台湾，韓国など海外においても特許を取得。日本発の科学技術として注目されてきた。本誌でも過去にその原理や特徴について紹介しているが，ここにきて，従来の脱脂液の撹拌による洗浄効率の飛躍的向上や極微細孔を有するプリント基板および微小チップのめっき，精密部品のめっきなどの用途に加え，中性電解水（αトリノ水）の製造や酸水素ガス（OH-MASA-GAS）発生，放射性物質を含む汚染水の無害化処理への適用など，新たな用途開発の道が拓かれつつあり，ここでは，超振動α一撹拌機の原理·特長を含めて一部開発途上のものもあるが，それらの用途開発などについて紹介する。