長期連続運転を目的とした装置の改造設計手法

摘要

石油精製における主要装置は，通常1年ないし2年ごとに定期点検·定修工事が実施されている。 近年メンテナンスコストの低減，設備稼働率の向上を目指し2年以上の連続運転実施の可能性検討·設備改造が頻繁に行われるようになってきた。 長期連続運転の実施により装置の停止·開放·点検·定修工事の回数が減少し保全コストの低減が可能となるとともに，設備稼働率の向上による経済的効果が見込める理由が大きい。 長期連続運転の実現に際しては，少なくとも目標とする連続運転期間内での装置構成各部の機械的·プロセス的健全性を十分に検討する必要がある。 しかしながら，国内各製油所における主要装帯は設計限界点に近い運転を行っていることが多く，長期連続運転に耐えうるだけの装置設計上の余裕が小さい。 このため，長期連続運転を実現する上で装置の構成各部に何らかの更新·改造工事が必要となる例が少なくない。