電気移動度径を利用した粒子質量·粒度分布測定法

摘要

粒子は発生源およびその成長過程により，大きさ·質量·形状が一様でなく，その物性も様々である。特定のパラメータに基づいて粒子を分けるプロセスは「分級」と呼ばれる。分級のパラメータとして，質量や粒径（大きさ）がよく用いられ，粒径はその分け方によって定義される。例えば，顕微鏡等による幾何学径，散乱光の強度による光散乱径，慣性力を利用した空気動力学径，静電気力を利用した電気移動度径等がある。粒度分布を測定する方法の一つとして，電気移動度径を利用した方法がある。この方法では，一連の測定中に電圧を変化させていくことで粒子に作用する静電気力を変化させ，静電気力ごとに対応する粒子の濃度を測定する。本稿では，電気移動度径を利用した粒度分布測定器PAMS，エアロゾル質量分級器APMについて紹介する（図1）。