フェントン法·疎水性界面に生成する四価鉄2価イオンの効用－ヒ素解毒,リン除去の“共沈剤”

摘要

京都大学の江波進一特定準教授らが実験実証した「フェントン法·疎水性界面に生成する四価鉄2価イオン」，“Fe（IV）~(2+)=O”は，ヒ素解毒，リン除去の“共沈剤”として足り得る。筆者らが開発したヒドロキシラジカル（OHラジカル）を連鎖的に生成できる高効率フェントン法は，水環境下の難分解性有機化合物の酸化分解に寄与する。したがって，この高効率フェントン法は，水環境残留の有機ヒ素や有機リンの有機構造の解体（酸化分解）に貢献でき，無機化もできる。ちなみに，筆者らは，「有機砒素化合物含有水の処理装置および，処理方法」なる特許も成立させている。四価鉄2価イオンは，無機化したヒ素ないしは，リンと“配位結合”を成し，“共沈”する。本論にて，そのメカニズムを詳述こととする。