粉体処理機械の保守と保全

摘要

保守·保全とは，工場現場の範疇にとどまるものではなく，もう少し広い意味を含んでおり，企業が社会に貢献できる自社製品を生み出すという目的に則って，生産設備とうまく付き合うためのシステムであると定義できる。 保守·保全を確実に実行することが，製品の品質維持·コスト削減·企業の社会的責任の評価につながり，企業永続の第一歩となる。 このことは，最近数多く発生して新聞紙上を騒がしている有力企業の事故からも立証されており，大いに戒めとしなければならない。 保守·保全担当者は，おのおの限られた経営資源内でその重要課題に応えていかなければならないが，現在の設備はオンライン化されており，小さなトラブルが設備全体に及ぼす影響力が大きくなっている。 最悪の場合，生産設備停止に追い込まれる場合もあり，内外に多大な損害を与える。 日頃の保守·保全の重要性がクローズアップされる所以でもある。 当社が提供する粉体処理装置は，その性質上取り扱いが難しい装置の1つとされている。 保守·保全に長く関わってきた者として，経験から得た実例を紹介することで，少しでも読者の参考になればと思う。