シニア技術者が見た化学工学の歩み：第7回 快適な生活を拡大するポリエステル

摘要

ポリエステル製品はまず合成繊維として世に出た。 木綿の代替品や混紡品として，繊維製品の安定供給に寄与し，「wash & wear」という性質を活かした繊維として，衣生活をより活動的に快適にした。 今でも，ワイシャツ，ブラウスなどとして愛用され，合成繊維製品の中で主流を占めている。 衣料用に続いて，タイヤコードなどの産業用繊維やフィルムやペットボトル用の樹脂としても使われ，生活用品を変革するとともに社会生活に便宜を与えた。ポリエステル製品が世に広まったのは，使いやすい性質と相まって，重合工程を中心とする合理化，連続化，省エネルギーによるにコストダウンや新製品開発が寄与している。 大量生産や品質向上の競争に化学工学が力を発揮し，技術展開のため，世界で活躍した技術者の貢献も大きかった。