高度化する環境保全技術：球状活性炭を利用したVOC回収装置

摘要

VOC（揮発性有機化合物）は光化学オキシダントとSPM（浮遊粒子状物質）の原因物質であり，2004年5月の大気汚染防止法（大防法）の改正により，本年4月からVOC排出量の規制が開始された。 球状活性炭を使用した流動床吸着移動床脱着装置「GASTAK」は1973年の上市以来，国内外合わせて600基を超える稼働実績をもち，排ガス中のVOC回収から脱臭まで，幅広い需要に対応してきた。本稿では，GASTAKによって排ガス中のVOCを回収することの経済的メリットと3Rの創出，さらにはCO{sub}2排出権取引という観点での経済性に関しても言及し，「持続可能性」を維持するためのVOC処理装置のあるべき姿について述べる。