不況を切り拓く思想&戦術：環境·安全対策を企業収益につなげる考え方

摘要

2008年9月以降、世界的に過去に例のない大不況に見舞われた。わが国でも例外ではなく大きなダメージを受け、派遣社員の派遣切りや年末の派遣村の実態が報道機関から社会問題として大きく報道されたことは記憶に新しい。2009年3月決算では未曾有の赤字が出て多くのプレス加工メーカーは悪戦苦闘の結果となった。2009年中間決算で徐々に回復基調にあるが、いまだ多くの企業は生産量が回復しない中、生き残り戦略を模索している事態で、予断を許さない状況下である。プレス加工業界は自動車に関係する輸送用機械製造業の加工が多くを占めているが、家電、IT関連、金属加工関連もプレス加工の領域である。最近の状況は中国をはじめ東アジアに生産が移転し、プレス加工はローコストで現地調達をする傾向にある。日本国内のプレス加工はコストで東アジアに太刀打ちできない状況であるが、自社独自の差別化戦略をどのように構築するかが生き残り戦略につながる。