日系中小企業の生き残り方と海外展開

摘要

大手自動車メーカーや総合電機メーカーはこぞって、アジア圏をはじめ人件費の安い国に製造拠点を構え、量産を行っている。その姿は、国内中小企業の仕事が減ろうが倒産しようがまったく関係がないというように見えて仕方がない。しかしそれが現実で、不満を感じても売上が上がるわけではなく、事実を受け止めて粛々と対策を打たなければ淘汰されるだけである。1945年に埼玉県で創業した当社は、かねてより製造拠点が日本から他のアジア圏に移動すると予測しており、1991年にマレーシア工場を設立していた（写真1，2）。中小企業の海外進出例としては、比較的早期から実績を築いてきたと考えている。