事例編－㈱樹研工業、㈱小出製作所：採用は先着順、出勤簿なし；異例づくしの人材育成術で、世界レベルの技術者を輩出

摘要

JR豊橋駅から、車で5分ほど。 まだあちこちに緑の田畑が残る、のどかな住宅街の中に、鮮やかなイエローの建物が見える。 ここが、金型業界はもとより、今、世界中の精密機器メーカーから注目を集める「樹研工業」の本社だ。 「樹研工業」の名を世界に知らしめたのは、「100万分の1グラム」という世界最小サイズの歯車。 肉眼では、砂粒はおろか、粉のようにしか見えないこの歯車、あまりに小さすぎて、まだ実用化には至っていない。 だが、プラスチックにこれほどの超精密加工を施せる技術は、世界広しといえどここ1社だけ。 世界に誇る“オンリーワン”の技術を生み出したこの会社、実は最近、まったく別の一面からも注目を集めている。 それが創業者である社長·松浦元男氏による、ユニークな人材育成術だ。