プレス·金型·溶接現場の技術·技能技承,人材育成を強化せよ：プレス現場に見る－創造型“匠”の育て方

摘要

風光明媚な瀬戸内海国立公園に浮かぶ小豆島。 日の光にきらめくオリーブの里、広がる瀬戸の蒼い海。 実はこの小豆島が、ある製品の生産で世界一の企業XEROMをつくり上げてきた。 そのある製品とは、私たちの生活に欠かせない携帯電話の中にある。 この製品の小型化や高性能化には目を見張るものがあり、飛躍的な進化を陰で支えているのがその中にある小さな金属プレス加工品である。 当社は創業以来、超精密金属プレス加工一筋に、ミクロン単位の要請に応える技術を培ってきた会社である。 特に金型製作において他社の追随を許さない高度な技術を誇り、電子部品類の高密度化、高性能化、小型化への挑戦をしている。当社の製品は、ものが小さいだけに金型にはミクロンオーダーの精度が要求される。 例えば、抜きの工程一つを取ってみても、厳密な精度が要求されている。 抜きの断面を見てみると、だれ面、せん断面、破断面、バリに分かれており、この、だれ面、破断面、バリをゼロにすることが当社の究極の目標である（図1）。 通常、断面の30～40％が破断面というのが常識であるが、当社独自の技術で可能な限り破断面ゼロの製品を生産している。