垂直移動生物膜法を用いた都市の下水処理のパイロットプラントスタディ

摘要

懸濁培養活性汚泥は都市の下水処理に広く効果的に使用されている。しかし，広い土地が必要で，運転コストが高く，操作が複雑であるため人口の少ない場所では適切ではない。 これに比べて，生物膜システムは省スペースでフレキシブルオペレーションの性質を持つ。 最近，下水中の有機炭素を効率良く酸化させ，かつCOD除去率が高い垂直移動生物膜法が開発された。 このシステムは活性バイオマスが生物膜の表面に成長しながらそれが垂直に空気一水の間を行き来するシステムである。 他の生物膜法に比べて目詰まり予防のための逆洗浄，生物膜による移動床膨張の抑制，放流水からの生物体量の分離，加圧空気の使用等を必要としないという利点がある。本報では垂直移動生物膜法のパイロットプラントスタディにおける有機炭素の除去性能と電気使用効率について述べる。本システムを図1に示す。 生物膜モジュールはシーソーのように，水（4s）一移動（2s）-空気（4s）－移動（2s）のサイクルで垂直に動く。