アーカイブス省エネ優秀事例－優秀事例全国大会（第20回～第24回）円高,原油安,省エネ法改正 その頃

摘要

第20回優秀事例全国大会が開かれた1995年は，バブル経済崩壊の痛手から依然立ち直り切れていない時期であった。地価の下落が続き，中小金融機関の破たんもあった。デフレ下，日本の製造業の景況も低迷が続いていた。政府はこうした状況に1995年9月，14兆6，000億円に上る史上最大規模の総合経済対策を決定している。輸出産業に大きな影響を与えた円高は，90年1月に1ドル140円台だったが，一貫して円高が続き94年には1ドル100円割れ，そして95年4月，ドル円相場は瞬間的に史上最高値79円75銭を記録している。まさに異常事態を起こしていたのだった。ところが，96年になると円高の針が逆回転を始める。月を追うごとに円安が進み，3年後の98年8月に最安値147円となった。その要因には，アメリカのドル安政策や人民元の切り下げなどが指摘されるが，いずれにしてもこの時期は激動の為替変動に見舞われた時期だった。