省エネルギー最前線：セメント業における省エネ対策·温暖化対策

摘要

エネルギー多消費産業の一つであるセメント産業は，地球温暖化問題がクローズアップされる以前から，製造コストダウンに大きな効果をもたらす省エネにいち早く取り組んできた。 日本のセメント産業はこれまで世界各国のセメント産業に先駆けて，さまざまな新技術の開発·導入を行ないながら，徹底的な省エネを実施してきた結果，現在，世界トップのエネルギー効率を誇っている。 このことが，逆に今後の省エネの余地は少ないという状況となっている。 温暖化対策としては，1996年12月に日本経団連「環境自主行動計画」に参画し，セメント製造用エネルギー原単位の低減を目標に取り組んでいる。 本稿では，これまで日本のセメント産業が取り組んできた省エネ対策·温暖化対策と将来展望について述べる。