この原油価格はイラク戦争のバテ？

摘要

原油高値が「史上空前」を更新し続けている。 8月20日には，NYMEXのWTI原油価格が47.86ドルで引けた。 ここで原因究明議論をする気になれない。結局，「相場のことは相場に聞け」で，何を言おうと理屈ほしょせん後付けに過ぎない。 というのが社会人になって42年，二度の石油危機の時代を含めて，人様よりはるか余計に原油価格のお世話になってきた筆者の偽らざる感慨である。現に，本誌のこのページにお世話になり始めた1980年ごろには，石油危機の時代であっただけに，ほとんど毎月原油価格のことばかり書いていた。本誌の使命を考えてみると，お恥ずかしい限りである。 1973年の秋から74年初の期間，たった4カ月の間に国際原油価格は4倍になった。 4倍値上げの結果，例えばアラビアンライト原油は12ドルになり，日本も世界も石油問題一色になった。