カシューナッツ殻の熱分解によるバイオオイル-身近な燃料

摘要

インドはカシューナッツ生産第一位の国である。 インドでは70万ヘクタールにわたってカシューナッツの耕作が行われ，年間生産量は40万トンを超えている。 カシューナッツの殻は厚さ3mm，内側ハニカム状となっており，CNSL(Cashewnut shell liquid）と呼ばれる暗い茶色の強粘液を持っている。 商業上CNSLはカシューナッツのばい焼(roasting），溶媒抽出などによって抽出され,ペンキ，接着剤，ワニスなどの高分子系産業に使われている。 本報では，カシューナッツの熱分解による油生産と，それを燃料としての可能性を検討した。 バイオオイルのような熱分解燃料は豊富なエネルギーを持つ他，燃焼用途において取り扱い，貯蔵と輸送が容易である。