合成脂肪酸であるバーサチック酸とは

摘要

Aバーサチック酸とは分岐状の三級合成脂肪酸で、シェル石油化学（オランダ）が50年ほど前に上市した商品名です。パーサチック酸という名前よりもその誘導体である“カージュラE“や“Veo Veo10”という商品名の方が広く知られてると思います。バーサチック酸の構造式、合成法を表1に、その誘導体について表2に示します。天然由来の脂肪酸は直鎖状でC数は偶数個と決まっています。天然脂肪酸では得ることができない機能（例えば短鎖状、C_（20）以上の直鎖脂肪酸、分岐状Neo-脂肪酸、奇数脂肪酸など）を得る目的でαオレフィンを原料に、いわゆるKoch法によって合成されたものです。当時、シェル石油化学（バーサチック酸）とEnjay chem（Neo·酸）社が製造していたようです。