連載：プラスチック開発海外情報(56)－多様化する長繊維強化熱可塑性樹脂コンポジット

摘要

前号で連続ガラス繊維を60％以上含む熱可塑性PURコンポジット「FULCRUM」を紹介したが、通常の射出成形用の強化プラスチックに使われているものよりも長いガラス繊維や連続ガラス繊維を30～60％含む熱可塑性コンポジットが、約20 年前から開発され、実用化されている。 その1つは、Glass Mat Thermoplastics (GMT) と呼ばれている熱可塑性コンポジットで、連続ガラス繊維マットにPPなどの粉末状の熱可塑性樹脂をまぶしたものと、10～50mmのガラス長繊維とPPなどの粉末状の熱可塑性樹脂を水に懸濁させて、紙を漉くような方法で作るものとの2種類が開発されている。 これらのマット状の原料は、成形に際して予備加熱され、プレスで金型に圧縮しながら急冷して成形品とする（図1）。 そのため、スタンパブルシートとも呼ばれている。