農産物流通における鮮度保持技術の現状と課題

摘要

最近の青果物流通は、国内供給の構造的要因やそれを補う形の輸入物の増加、取引形態の変化等を伴いながらダイナミックに変化しているが、質的にはますます新鮮で美味しい青果物が求められるようになっている。 そのため、物流の低温化など、流通条件の整備や新たに開発された多くの流通資材や鮮度保持技術の活用面で多くの努力がなされている。 青果物は、ものによっては厳しい温度管理、ガス濃度管理等が要求され、多くの解決しなければならない技術的問題を抱えている。 新鮮で品質の良い青果物を戦給するためには、確実な鮮度保持技術の活用が重要であり、この目的で多くの流通機材，賛材が開発され、技術が広く利用されるようになっている。青果物は種類が非常に多く、その品質，特性も多岐にわたり、流通環境もきわめて多様であるため、個々の青果物の鮮度保持を効果的にしかも再現性良く行うことは簡単ではない。 青果物の鮮度をより良く保持するためにはJそれらの生理特性と流通機材、包装資材等の機能，特性等を良く把握した上で、流通環境を低温に維持するなど、きめ細かな対応が必要である。これまでの鮮度保持技術を振り返り、今後の課題を考えてみる。