蓮の葉などの自然模倣の超撥水·防汚表面

摘要

生物は、外部から人為的な操作や加工をしなくても、自然に構造や秩序を生み出していく“自己組織化”の能力を有する。生体内では、ナノスケールのタンパク質や核酸、脂質などが種々の分子間相互作用で集まり結合し、生体膜や分子集合体ができる。それらの分子集合体から細胞内小器官 ができる。さらに細胞内小器官が集まって細胞を形成し、細胞が集まって生体組織になる。小さい構造が自己組織化によって大きいものへと積み重なって階層的な構造ができ、生体の機能を発揮している。このような自己組織化によるボトムアップの手法で、階層的な構造をもち、新たな機能を発揮する材料やデバイスができれば、従来のリソグラフィーのような多量のエネルギーを必要としない、省エネルギー型の環境に優しい技術になる。