固体ロケットモータの空気超音波による非破壊検査

摘要

本稿では，固体ロケットモータの品質保証として実施している非破壊検査を放射線検査から超音波検査へ代替する研究について報告した。高減衰材料である固体推進薬や断熱材から構成される多層積層構造に対して，モータ平行部は空気超音波による非接触透過法，モータ前／後部は直接接触反射法を採用し，φ25mmのボイド，はく離に対する検出性を確認した。モータ平行部に対しては，非接触自動探傷システムを開発した。これにより観測ロケットS-310の固体モータに関しては，従来の放射線検査に比べ約40％の検査時間の低減が達成できた。開発した超音波探傷検査は，宇宙研の観測ロケットの品質保証プロセスに取り入れられている。