ハウス夏作の後利用のための寒じめホウレンソウの移植栽培

摘要

東北日本海側は十一月に初雪が降り、十二月から三月まで地域全体が雪に覆われる。夏期には稲、野菜、花きなど、農家にとって栽培作物の選択肢は豊富であるが、冬期には非常に少ない。 このため、農家は出稼ぎや季節的な在宅他産業就労を余儀なくされている。 当地域の野菜生産量や生産額は、多雪、低温、寡日射条件の制約を受け、著しく少ない。 秋田県では一九八五年ごろから夏秋野菜用のパイプハウス面積が拡大している。 しかし、これらのハウスは冬期には雪に埋もれ、大部分が遊休化している。 これらのことから、周年農業生産体系の確立は、当地域において重要な研究テーマの一つである。 そして、冬期に遊休化しているハウスを利用した低コストな葉菜類生産は、周年農業生産体系の一翼を担いうる有力な手段である。