プール育苗によるイネもみ枯細菌病菌腐敗症およびイネ苗立枯細菌病の発病抑制

摘要

水稲プール育苗は飯塚ら（九）によって考案された湛水育苗法で、幼苗が緑化した後、ただちに水深一～三で湛水する育苗法である。 本育苗法は潅水管理が容易で、低温等の影響も比較的受けにくいことから（二、九）、作業が軽減される等の利点がある。 一方、イネもみ枯細菌病菌Pseudomonas glumaeによるイネ苗腐敗症（一一）とP. plantariiによるイネ苗立枯細菌病（一）は北日本を中心に育苗胡において重大な被害をもたらしている。 林賀田（五、六）および林（七）はプール育苗によってイネ苗腐敗症の発病が抑制されることを報告している。また、イネ苗立枯細菌病の発病に対するプール育苗法の発病抑制効果については林（三）が本誌に寄稿している（四）。